日本に歯ブラシが登場したのは江戸時代で、その頃はふさようじと呼ばれていました。木の枝の先を煮たり叩いたりして柔らかくして、みがきすなという粉を使って磨いていたようです。その後石けん工場の勤務経験のある小林寅次郎さんが独立して歯磨き粉を作りました。
合う歯ブラシはなかったので、ここで国産の歯ブラシを作り始められました。毛は弾力性のある豚の毛を使い、毛先を一列に揃えました。柄の部分は牛の骨を使い口の中に入るように太い部分細い部分でメリハリをつけました。しかし太平洋戦争が始まると、牛の骨が不足し、合成樹脂が使用され、その後はセルロイドになりました。戦後は毛の開発も進み、雅楽繊維のナイロンが使われるようになりました。
国産の歯ブラシは多種多様になり、毛先に凹凸がついたものや隙間に入り込む極細のブラシ、持ち運びに便利なオフィスや旅行用の歯ブラシセット、電動歯ブラシが登場しています。